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アスベスト
アスベスト報道アスベストと健康被害のはなし

◆◆ 明らかになるアスベスト被害 ― 古くて新しい健康被害 ◆◆

◆◆相次ぐアスベスト被害報道

 平成17年(2005年)6月末に機械メーカー「クボタ」の旧神崎工場の従業員、出入り業者であった78人が、アスベスト(石綿)が原因と考えられる「中皮腫」などで死亡していることが報道されました。
 クボタの工場では1955〜1975年の間、毒性の強い青石綿を大量に使って水道管を製造していました。工場の近くに住んでいた住民も中皮腫を発病し、死亡者も確認され、アベスト被害が地域住民にまで及んでいることが分かりました。
 7月1日には、経済産業省が石綿製品の製造にかかわる7つの業界団体に対し、過去の生産実績と健康被害の状況について情報を提供するよう要請しました。
 その後、建材メーカーや自動車部品メーカー、造船会社などの従業員の中皮腫や肺がんによる死亡状況が次々に報告されました。
 従業員の妻が中皮腫で死亡していたことも確認され、夫の作業服に付いていた石綿を吸引したことが原因と判断されました。

◆◆アスベストとは

 アスベストとは繊維状のケイ酸塩鉱物の総称で、その化学組成は一定していません。蛇紋石系と角せん石系があります。

 蛇紋石系はクリソタイル(白石綿)というアスベストで、現在産業界で使用されているのは主にこのアスベストです。

クリソタイル(白石綿)
クリソタイル(白石綿)

 

 角せん石系はクロシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライトに分類されます。

クロシドライト(青石綿)
クロシドライト(青石綿)
アモサイト(茶石綿)
アモサイト(茶石綿)
(写真提供:社団法人 日本石綿協会)

◆◆アスベストの規制過程

 クロシドライトとアモサイトは1995年に製造が禁止されています。

 昨年(2004年)の10月1日よりアスベストを1%を超えて含有する10種類の製品(下表)については製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されました。

禁止されたアスベスト含有製品

1.石綿セメント円筒

7.クラッチライニング
2.押出成形セメント板
8.ブレーキパッド
3.住宅屋根用化粧スレート 9.ブレーキライニング
5.窯業系サイディング
10.接着剤
6.クラッチフェーシング  

 6.〜9.は自動車の部品です。しかし、昨年禁止された製品以外でまだアスベストが使用されているものは多々あり、アスベスト被害の広がりを受けて、厚生労働省は2005年7月8日、現在代替品がないため一部で使用されているアスベストについても2008年までに全面禁止にする方針を決めました。
 アスベストは単体で高抗張力、不燃、耐熱性、耐薬品性、絶縁性、耐久性、親和性等多くの特徴を持っており、かつ経済性に優れているため、多くの製品に使用され、それが未だに私たちの身近なところに存在しています。

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